更年期の症状とは?よくある不調や原因・セルフケアについて解説

症状・悩み

2026.09.15

更年期には、ほてりや発汗、不眠、気分の変化、便秘、下痢、肌荒れなど、心身にさまざまな症状が現れます。

本記事では、更年期にみられる主な症状を系統別に紹介し、症状が起こる原因やセルフケア、腸内環境との関係について解説します。

更年期にみられる主な症状

更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の変化により、心身にさまざまな症状が現れることがあります。

更年期にみられる代表的な症状を、系統別にまとめました。

系統 主な症状
血管運動神経系 ホットフラッシュ、のぼせ、ほてり、発汗、冷え、動悸、息切れ
精神神経系 イライラ、気分の落ち込み、不安、不眠、めまい、頭痛
消化器系 便秘、下痢、吐き気、食欲不振
運動器系 肩こり、腰痛、関節痛、筋肉痛
皮膚・分泌系 肌荒れ、肌の乾燥、ドライアイ、口の渇き
泌尿器・生殖器系 頻尿、尿漏れ、腟の乾燥、性交時痛、月経の変化

それぞれの症状について、以下で解説します。

血管運動神経系の症状

更年期には、自律神経のバランスが乱れやすくなり、体温調節がうまくできなくなることで、ほてりや発汗などの症状が現れます。

  • ホットフラッシュ
  • 突然、顔や上半身が熱くなり、大量の汗をかく症状。更年期障害を代表する症状。

  • のぼせ
  • 気温に関係なく、顔や頭が熱く感じる症状。
    ホットフラッシュとあわせて現れる場合もある。

  • ほてり
  • 手足や体全体が熱く感じる状態。長時間続く場合もある。

  • 発汗
  • 少し動いただけでも汗をかきやすくなったり、寝汗が増えたりするのが特徴。

  • 冷え
  • 手足などが冷たく感じる症状。ほてりやのぼせがある一方で、手足の冷えを感じる場合もある。

  • 動悸
  • 突然、心臓がドキドキしたり、脈が速く感じられたりする症状。
    不安感を伴う場合もある。

  • 息切れ
  • 階段の上り下りや軽い運動でも息切れを感じる症状。

精神神経系の症状

気分や睡眠にも変化が現れやすくなり、日常生活に影響を感じる方もいます。

  • イライラ
  • 些細なことで感情が高ぶったり、怒りっぽくなったりする状態。

  • 気分の落ち込み
  • 憂鬱な気分になったり、くよくよと考え込んだり、気持ちが沈み、何事にも意欲がわかない状態。長く続く場合もある。

  • 不安
  • 理由がはっきりしない不安や緊張を感じやすい状態。

  • 不眠
  • 寝つきが悪い、眠りが浅い、途中で目が覚める、朝早く目が覚めるなどの睡眠に関する症状。

  • めまい
  • ふわふわした感覚や立ちくらみのような症状。

  • 頭痛
  • 片頭痛のような痛みや、締め付けられるような痛みが現れる場合もある。

消化器系の症状

女性ホルモンの変化や自律神経の乱れなどの影響により、便秘や下痢などの消化器症状が現れる場合があります。

  • 便秘
  • 女性ホルモンの変化や自律神経の乱れなどが影響し、便秘になりやすい状態。

  • 下痢
  • ストレスや自律神経の乱れなどの影響で、下痢を繰り返す症状。

  • 吐き気
  • 胃の不快感や吐き気を感じる症状。

  • 食欲不振
  • 食欲が低下し、食事量が減る状態。

腸内環境との関連については、「更年期症状と腸内環境には関係がある?」で詳しく解説しています。

運動器系の症状

肩や腰、関節などに痛みやこわばりを感じる方も少なくありません。

  • 肩こり
  • 筋肉の緊張や血流の変化などにより、肩が張ったり重く感じたりする症状。

  • 腰痛
  • 腰に痛みや重だるさを感じる症状。
    長時間同じ姿勢で悪化する場合もある。

  • 関節痛
  • 手指や膝などの関節に痛みやこわばりが現れる症状。

  • 筋肉痛
  • 運動をしていなくても、筋肉の痛みや疲労感を覚える場合もある。

皮膚・分泌系の症状

エストロゲンの減少により、肌や目、口などの乾燥が気になりやすくなります。

  • 肌荒れ
  • 皮脂や水分のバランスが変化し、肌荒れやニキビなどが生じる症状。

  • 肌の乾燥
  • 肌のうるおいが失われ、乾燥しやすい状態。

  • ドライアイ
  • 涙の分泌量が減少し、目の乾燥や異物感が現れる症状。

  • 口の渇き
  • 唾液の分泌量が減り、口が乾きやすい状態。

泌尿器・生殖器系の症状

排尿や生殖器の変化も、更年期にみられる症状のひとつです。

  • 頻尿
  • 尿意を感じやすくなり、トイレが近くなる症状。

  • 尿漏れ
  • くしゃみや咳、運動などをきっかけに尿が漏れやすくなる症状。

  • 腟の乾燥
  • 腟の粘膜のうるおいが低下し、乾燥や違和感が生じる状態。

  • 性交時痛
  • 腟の乾燥などが原因で、性交時に痛みを感じる症状。

  • 月経の変化
  • 生理(月経)が不順になったり、不正出血がみられたりするなど、閉経に向けて現れる変化。

更年期症状の出方には個人差があり、現れる症状や程度は人それぞれです。
また、更年期症状にあてはまる不調のなかには、別の病気が原因となっている場合もあります。

症状が長く続く場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、更年期障害の可能性も考えられます。
気になる症状があるときは、婦人科・産婦人科を受診し、医師へ相談しましょう。

そもそも更年期とは?

女性ホルモンの変化

更年期とは、閉経を迎える前後の約10年間を指します。日本人女性では、一般的には45歳〜55歳頃にあたります。1)

女性の体は、初経を迎える思春期から、妊娠・出産などが可能な性成熟期、更年期、老年期へと、ライフステージに応じて変化していきます。2)

更年期にあたる40代後半から50代前半頃になると、卵巣の機能が徐々に低下していきます。

卵巣の機能が低下すると、女性ホルモン(エストロゲン)などの分泌が変化し、脳の下垂体と卵巣の間で行われているホルモン分泌の調節にも変化が生じます。
その結果、下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)が増加します。しかし、卵巣はFSHの刺激に反応しにくくなっているため、エストロゲンの分泌は大きく変動しながら、次第に低下していきます。

こうしたホルモンの変化に伴い、月経周期が不規則になったり、経血量が変化したりすることがあります。やがて閉経を迎えますが、日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされており、閉経を迎える時期には個人差があります。

また、閉経に近づくにつれて排卵が起こらない周期も増えていきます。基礎体温を記録している場合には、排卵に伴ってみられる体温の変化が以前とは異なることもあります。

こうした生殖機能やホルモンバランスの変化に伴って、ほてりや発汗、不眠、気分の変化など、さまざまな更年期症状が現れることがあります。

また、更年期は今後の健康について考えるひとつの節目でもあります。年齢を重ねるにつれて注意したい病気の例として、次のようなものがあります。

  • 骨粗鬆症(骨粗しょう症)
  • 脂質異常症
  • 認知症 … など

食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直しながら、年齢に応じた健康管理を心がけましょう。

更年期症状が起こる主な原因は?

更年期症状の主な原因は、卵巣機能の低下に伴い、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少することです。
この変化によって自律神経のバランスが乱れやすくなり、ほてりや発汗、動悸、気分の落ち込みなど、さまざまな症状が現れると考えられています。

また、更年期症状にはホルモンの変化だけでなく、次のような要因も関係すると考えられています。

  • 加齢による体の変化
  • 仕事や家庭でのストレス
  • 睡眠不足
  • 食生活の乱れ
  • 運動不足   …など

症状の現れ方や程度には個人差があり、生活環境やストレスの程度などによっても異なります。

更年期症状と腸内環境には関係がある?

近年では、更年期症状と腸内環境との関連について研究が進められています。
腸内には、エストロゲンの代謝に関わる「エストロボローム(Estrobolome)」と呼ばれる腸内細菌群があると考えられています。
3)
また、腸内フローラのバランスが乱れるとエストロゲンの代謝に影響する可能性が示されています。

一方で、更年期症状と腸内環境との関係には、まだ解明されていない点も多くあります。
現時点では、腸内環境を整えることで更年期症状が改善すると結論づけられているわけではありません。

しかし、更年期症状と腸内環境との関連が示唆されていることから、生活習慣を見直すことに加え、自身の腸内環境を把握し、健康管理の参考にするという考え方もあります。

更年期症状の対策では、生活習慣の見直しを基本としながら、自身の腸内環境にも目を向けてみるとよいでしょう。

更年期症状が気になる方は腸内フローラ検査も選択肢のひとつ

更年期移行期に入ると善玉菌が激減し、悪玉菌が増加するとの報告もあるので、腸内フローラ検査で自身の腸内環境をチェックすることが重要です。4)
腸内フローラ検査とは、便中に含まれる腸内細菌の種類やバランス(割合)を分析して、腸内環境の状態を可視化する検査です。

検査結果をもとに、腸内環境の特徴を把握し、食生活や生活習慣の見直しに活かせます。

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検査結果に基づいて腸内フローラの構成に合わせた食品も提案されるため、食生活を見直す際の参考になります。

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自身の腸内環境に合わせて、より効果的な生活改善に取り組みやすい点が特長です。

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更年期症状を和らげるセルフケア

更年期症状は、日々の生活習慣を見直すことで軽減が期待できます。
また、腸内環境と更年期症状との関連も研究されており、食事や運動、睡眠などの生活習慣を整えて腸内環境を良好に保つことは、健康管理につながります。

ここからは、更年期症状を和らげるために、日常生活で取り入れやすいセルフケアをご紹介します。

食事の見直し

栄養バランスのよい食事を基本に、さまざまな食品を組み合わせて食べることを心がけましょう。

特に、次の栄養素や食品を意識して取り入れましょう。

  • たんぱく質
  • カルシウム
  • ビタミンD
  • 大豆製品(イソフラボン)

極端な食事制限や偏った食生活は栄養不足につながるため、できるだけ避けましょう。

適度な運動

ウォーキングなどの有酸素運動やストレッチを、無理のない範囲で続けましょう。

適度な運動には、次のような効果が期待できます。

  • 筋力の維持
  • 血流の改善
  • 気分転換
  • ストレスの軽減

激しい運動を行う必要はありません。
自分の体調や体力に合わせて、継続することが大切です。

十分な睡眠

睡眠不足は、更年期症状に影響する可能性があります。

睡眠の質を高めるために、次のようなことを意識しましょう。

  • 毎日できるだけ同じ時間に寝起きする
  • 寝室を暗く静かな環境に整える
  • 就寝前のカフェインや飲酒を控える

生活リズムを整えることは、心身の健康維持にもつながります。

ストレスを溜め込まない

更年期は、心身ともにストレスの影響を受けやすい時期です。

自分に合った方法で、無理のない範囲で気分転換を取り入れましょう。

  • 趣味を楽しむ
  • 深呼吸をする
  • 軽い運動を行う
  • 十分な休息をとる

頑張りすぎず、心と体を休める時間をつくることも大切です。

サプリや漢方を利用する

更年期の健康管理では、食生活を基本としながら、必要に応じてサプリメントを取り入れる方法もあります。
サプリメントは、食事だけでは不足しやすい栄養素を補う方法のひとつです。

ただし、サプリメントだけに頼るのではなく、バランスのよい食事を基本とすることが大切です。

また、更年期症状に対しては、体質や症状に応じて漢方薬が用いられることもあります。
漢方薬も医薬品であるため、自己判断で使用せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

サプリメントについても、医薬品との飲み合わせなどに注意が必要な場合があります。持病がある方や薬を服用している方は、使用前に医師や薬剤師へ相談してください。

症状がつらいときは医療機関へ相談を

重い症状が続く場合や、つらくて寝込むなど日常生活に支障をきたしている場合は、無理をせず婦人科や産婦人科へ相談しましょう。

医療機関では、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬による治療のほか、症状に応じてプラセンタ療法が行われる場合があります。

<ホルモン補充療法(HRT)>
減少した女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療法です。使用する薬には、飲み薬のほか、皮膚から成分を吸収させる貼り薬や塗り薬などがあります。

<漢方薬による治療>
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などの生薬を組み合わせた漢方処方が用いられることがあります。

<抗不安薬・抗うつ薬など>
不安や気分の落ち込みなどの精神症状に対して、抗不安薬や抗うつ薬などの向精神薬が用いられる場合があります。

<心理療法>
心理的な要因が症状に影響している場合などに、カウンセリングをはじめとした心理療法が検討されることがあります。

治療法は症状や体質によって異なります。自己判断せず、医師と相談しながら自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

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更年期症状が気になる方は自分の体の状態を知ることから始めよう

更年期症状の出方には個人差があり、現れる症状や程度は人それぞれです。

食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことに加え、自身の体の状態を把握することも大切です。

腸内フローラ検査は、更年期症状の原因を特定する検査ではありません。しかし、腸内細菌の種類や割合、腸内環境の特徴を知ることで、食生活や生活習慣を見直すきっかけになります。

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腸内環境を知ることは、日々の体調管理や将来の健康を考えるきっかけにもつながります。
まずは現在のコンディションを把握し、無理のない範囲で生活習慣の改善に取り入れてみるのもよいでしょう。

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参考

1)日本産科婦人科学会「更年期障害」
2)Harlow, S.D. et al. J. Clin. Endocrinol. Metab. 97, 1159–1168 (2012).
3)Kumari, N. et al. Mol. Nutr. Food Res. 68, 2300688 (2024).
4)Siddiqui R, Makhlouf Z, Alharbi AM, Alfahemi H, Khan NA. The Gut Microbiome and Female Health. Biology. 2022; 11(11):1683.