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肥満と腸内細菌の関係は、海外と日本では違う?!

菌と健康

2022.02.21

「肥満は万病のもと」といわれるように、糖尿病や高血圧など、さまざまな病気を引き起こす肥満。

なんだかここ数年で太ったなぁ……と思いながらも、「運動不足のせいだろうけど体を動かす時間がないから仕方ない」「加齢のせいだからどうしようもない」と諦めていませんか?

肥満を放置するとメタボリックシンドロームを引き起こしたり、心筋梗塞や脳卒中など重大な病気へと進んだりする恐れもあり、とても危険です。

では、どうすればいいのでしょう。

そのヒントは腸内にあると考えられます。

肥満は腸内細菌と関係アリ!

腸内細菌が、ヒトの健康に関係していると広く認識され始めたのは、2006年のジェフリー・ゴードン博士らの研究から。

「無菌(腸内細菌がいない)マウスに、肥満の人の腸内細菌叢を移植すると、マウスが肥満化した」という研究報告が、国際的な総合科学ジャーナル『Nature』で発表されました。

と同時にゴードン博士らは、「肥満の人の腸内細菌はファーミキューテス(Firmicutes)門に属する菌が多く、バクテロイデーテス(Bacteroidetes)門に属する菌が少ない」ということも発表。

実は腸内細菌の99%が、ファーミキューテス、バクテロイデーテス、プロテオバクテリア(Proteobacteria)、アクチノバクテリア(Actinobacteria)の4つの門に属しているのですが、肥満の人には、そのうちの2つの門(ファーミキューテスとバクテロイデーテス)について、特徴的な偏りが認められたのです。

その偏りとはつまり、ファーミキューテス門が多く、バクテロイデーテス門が少ないというものですが、この2つの門の比率を示すF/B比が高いほうが、肥満になりやすいということも報告されました。

その後も、同様の報告が海外から多数発表され、F/B比と肥満の関係は世界的に有名になりました。

腸内細菌が、ヒトの健康にとって、肥満のように体型を左右するほどの関係性にあるという発表は、研究者に大きなインパクトを与え、その後の腸内細菌叢の研究が急速に発展したといわれています。

そして現在までに、腸内細菌は「肥満と関係あるかも?」から「肥満と関係がある!」まで研究が進んだのです。


日本人では、F/B比と肥満は関係ナシ?

しかしこのF/B比に関する海外の研究報告は、日本人には当てはまらないという発表も出てきました。

日本人277名を対象とした腸内細菌叢の解析において、F/B比とBMI(体重と身長から算出される肥満度)が相関しないことが、2019年に日本消化器病学会の機関誌『Journal of Gastroenterology』で報告されました。

さらに同年、青森県岩木町に住む男女1001名から得られたデータからは、ファーミキューテス門ブラウティア(Blautia)属の菌が多いほど内臓脂肪面積が少ないということが判明。

このブラウティア属の菌は、日本人の腸内細菌叢に占める割合が他の国の人に比べて多い菌であることもわかっています。

先の研究による「肥満の人の腸内細菌はファーミキューテス門に属する菌が多い」「F/B比が高いほうが肥満になりやすい」という報告とは一致しない結果となったのです。

また、2016年には国際的なDNA研究に関するジャーナル『DNA Research』で、腸内細菌叢は国ごとに特徴があることが発表されており、日本人の腸内細菌叢は他国の人と比較しても特徴的であることがわかりました。

つまり、ファーミキューテス門が肥満と関係していることや、バクテロイデーテス門には肥満を抑制する菌がいることは多くの報告がありながらも、日本人では必ずしも「F/B比が高いほうが肥満になりやすい」ことはないので、おそらく日本ならではの腸内細菌叢や食習慣、遺伝的要素が関連し、腸内細菌と肥満との関係はF/B比だけでは語れないようなのです。

だからこそ、日本人の腸内細菌叢と健康・病気の関連を紐解いていくには、日本人のデータを参照することが大切。

「健腸ナビ」は約1万8000人の日本人の腸内細菌を調べたデータベースを使用しているため、個人の腸内細菌叢に合わせて、より的確な食事のアドバイスを提供することが可能です。

肥満解消のヒントも、「健腸ナビ」の検査と分析によって腸内細菌叢から導き出せるかもしれません。