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更年期に起こる心身の不調と「腸内フローラの乱れ」の関係とは?仕組みと対策を解説

腸内フローラとの関係

2026.08.05

40代半ばから50代半ばを迎えると、ほてりや冷え、動悸だけでなく、「急に激しい眠気に襲われる」「体重が増えて落ちにくくなった」といった変化に悩まされる方が増えてきます。

「私の更年期って何歳から始まるの?」「急に生理の周期が変わったけれど大丈夫?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

こうした心身の変調の多くは「女性ホルモン(エストロゲン)の減少」が原因と説明されますが、なぜエストロゲンが減ると不調が出てくるのか、その詳しいメカニズムを知る人は多くありません。

近年の研究では、閉経に伴って女性の「腸内フローラ」(腸内細菌叢ともいう)が大きく変化し、その乱れがホルモンバランスの崩れを加速し、さまざまな不調を引き起こしている可能性があることがわかってきました。

当社が実施した独自の腸内フローラ解析でも、海外の先行研究を裏付けるデータが得られています。

本記事では更年期症候群と腸内フローラとの関わり、そして自分に合ったサプリの選び方や腸活についてわかりやすく解説します。

更年期は何歳から?生理や身体に現れる代表的な変化

更年期が始まる年齢と期間

一般的に「更年期」とは、閉経を挟んだ前後5年間、合計約10年間(およそ45歳〜55歳頃)の時期を指します。個人差はありますが、多くの女性が40代半ば頃から心身の変化を実感し始めます。

更年期によくあるサイン:生理・眠い・体重増加など

この時期に現れる症状は多岐にわたり、これを「更年期症候群」と呼びます。特に多く寄せられる悩みには次のようなものがあります。

  • 生理の周期や経血量の変化:周期が短くなったり長くなったり不規則になり、やがて閉経へと向かいます。
  • 昼夜問わず異常に眠い:女性ホルモンの乱れや自律神経の崩れによって睡眠の質が落ち、日中に強い睡魔に襲われることがあります。
  • 代謝低下による体重増加:エストロゲンの減少に伴い基礎代謝が低下し、これまでと同じ生活をしていても太りやすく、脂肪が落ちにくくなります。
  • その他の不定愁訴:ほてり、発汗、頭痛、肩こり、イライラ、気分の落ち込み、胃腸の不調(便秘・下痢)など。

日常の暮らしに大きな支障をきたすほど症状が重い状態は「更年期障害」と診断されることもあります。

女性ホルモンの減少と「腸内フローラの乱れ」の悪循環

更年期の不調の根本的な原因は、加齢によって卵巣機能が衰え、エストロゲンの分泌が急激に低下することです。

エストロゲンは全身の臓器や自律神経に作用するため、減少することで全身に影響が及びます。

さらに近年注目を集めているのが、「エストロゲンの低下が腸内フローラの乱れ(ディスバイオシス)を引き起こし、その乱れがさらにエストロゲンの代謝を低下させてしまう」という負のループです。

海外の先行研究が示す「閉経と腸内フローラ」の深い関係

エストロゲンの減少は、具体的にどのように腸内フローラへ影響するのでしょうか。先行研究の報告をご紹介します。

善玉菌が激減し、腸内フローラの多様性が失われる

Siddiquiらのレビュー論文(Biology, 2022)によると、エストロゲンが十分に分泌されている時期は腸内フローラの多様性が保たれ、有益菌(乳酸菌やビフィズス菌などのいわゆる善玉菌)が優勢な状態が維持されます。しかし、更年期移行期に入ると有益菌が激減し、有害菌(いわゆる悪玉菌)が増加することが報告されています。

また、閉経前後で腸内フローラの構成そのものが変化し、閉経後の女性の腸内フローラは同年代の男性に近い構成へと変化することも示されています1)。

「エストロボローム」とホルモン低下のループ

腸内細菌の中には、エストロゲンの代謝や再吸収に関わる菌群「エストロボローム」が存在します。

これらの菌は、肝臓で処理されて不活化されたエストロゲンを腸内で再び活性化させ、体内の血中エストロゲン濃度を保つ働きをしています。

腸内フローラの多様性が低下すると、この再活性化がうまく機能しなくなり、体内のエストロゲン濃度がさらに低下する可能性が指摘されています。

つまり、「エストロゲン低下 → 腸内フローラの乱れ → さらなるエストロゲン低下 → 更年期症状の悪化」という悪循環が生まれる可能性があります1)。

短鎖脂肪酸の減少と代謝・免疫への影響

閉経後は、健康維持に欠かせない「短鎖脂肪酸(SCFA)」を作り出す細菌も減少することが分かっています。

短鎖脂肪酸のうち特に酪酸は、腸のバリア機能の維持、免疫調整、炎症の抑制を行うほか、エネルギー代謝にも深く関与しています。

このように、閉経は腸内フローラだけでなく、腸内細菌が作り出す物質も含めた腸内環境全体に影響するがわかります。

そして、その影響は、全身の炎症リスクや免疫機能にも関連すると考えられています1)。

当社の独自解析データから分かったこと

当社が保有する「健康な女性」と「更年期症候群の女性」の腸内フローラデータを比較検証したところ、先行研究と同様の傾向が確認されました。

更年期症候群女性の腸内フローラの特徴

更年期症候群のグループでは、腸の健康維持に寄与する菌が少ない傾向にありました。

先行研究で示された「閉経後に増加する菌」についても、当社の解析で同様の傾向が確認されました。

また、腸内フローラの多様性を示す指標(Shannon指数)においても、健康なグループに比べて低い傾向が認められ、先行研究と方向性が一致しました。

腸内フローラデータからリスクを推測

当社ではこれらのデータをもとに、腸内細菌の構成から「更年期症候群のリスク」を推定する独自のモデルを開発しました。

菌の増減パターンをモデル化して、腸内フローラの構成から更年期症候群のリスクを推定するという新たな方法を実現しています。

自覚症状だけでなく、客観的なデータに基づいて自分の体の状態を把握できる新しいアプローチです。

自分に合ったサプリや「腸活」を選ぶためのポイント

前述した更年期症候群と腸内フローラの関係から、更年期のつらい不調を和らげるためには、腸内フローラを整えることが大切であることが分かります。

更年期対策として市販のサプリ(エクオールなど)を取り入れる方も多くいらっしゃいます。その際には、自身の腸内フローラを知ることも重要です。

例えば、腸内細菌の中でも、大豆に含まれるイソフラボンからエクオールを作ることのできる「エクオール産生菌」が自身のおなかにいるのかを確認しておくことをおすすめします。エクオール産生菌がいる場合は、大豆を食べることで腸内でエクオールを作り出すことができますが、いない場合はエクオールを作り出すことができないため、エクオールサプリの摂取がおすすめです。

また、酪酸菌の割合や多様性などをチェックすることも、適切なサプリを選択することにつながります。

闇雲に一般的なサプリや発酵食品を摂るよりも、まずはご自身の腸内フローラの状態を正確に把握した上で、自分に合った食事や成分を選ぶことが、適切なケアへの近道となります。

まとめ:腸内フローラを知ることが、更年期対策の第一歩

更年期に起こる不調には、女性ホルモンの減少だけでなく「腸内フローラの乱れ」が深く関わっています。
「自分は更年期かな?」「何から対策を始めればいいかわからない」と悩んでいる方は、まずは一度ご自身の腸内フローラをチェックしてみませんか?

腸内フローラ検査「健腸ナビ」では、あなたの腸内フローラを詳しく可視化することができます。更年期に関わるエクオール産生菌や酪酸菌をはじめとした菌の割合やバランス、多様性などを詳しく調べることができます。

さらに、腸内フローラから「更年期症候群」のリスク傾向を把握ができ、腸内フローラを整えるためのおすすめ食品情報がわかります。また、更年期世代の方が気になる「骨粗鬆症」「認知症」「うつ病」「脳梗塞」など、さまざまな病気のリスクを把握することができます。

「自分に必要なサプリや食材を知りたい」「適切な更年期ケアに取り組みたい」という方は、ぜひ一度「健腸ナビ」の腸内フローラ検査をお試しください。

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引用文献

1)Siddiqui R, Makhlouf Z, Alharbi AM, Alfahemi H, Khan NA. The Gut Microbiome and Female Health. Biology. 2022; 11(11):1683. https://doi.org/10.3390/biology11111683