更年期・生理中に下痢になる原因とは?改善方法や腸内環境との関係を解説
症状・悩み
更年期や生理中の下痢は、自律神経や生活習慣の乱れ、女性ホルモンの変化などが関係している可能性があります。
この記事では、更年期や生理中に下痢が起こる原因や改善方法、受診の目安、更年期と腸内環境の関係について解説します。
更年期・生理中に下痢になる理由は?
更年期や生理中の下痢は、女性ホルモンの変化や自律神経の乱れ、ストレスや生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。
更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく変動することで、自律神経や腸の働きに影響を及ぼす場合があります。
また、生理中は「プロスタグランジン」という物質の作用によって腸の動きが活発になり、下痢が起こることがあります。
ただし、下痢の原因は更年期や生理だけとは限りません。過敏性腸症候群(IBS)などの消化器疾患や感染性胃腸炎などが原因となることもあります。
下痢が長く続く場合や、強い腹痛や発熱、血便などを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
▼更年期・生理中に下痢が起こる主な原因はこちらで解説
▼更年期・生理中の下痢を改善するための対策はこちらで解説
▼更年期と腸内環境の関係はこちらで解説
そもそも更年期とは?
更年期とは、閉経を迎える前後約10年間を指します。
日本人の女性では、一般的には45〜55歳頃にあたります。1)
この時期は、卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変動しながら減少します。その影響で月経周期が乱れたり、閉経を迎えたりします。
また、更年期には、以下のような心身の不調が現れる場合があります。
- のぼせ
- ほてり・発汗
- めまい
- 気分の落ち込み・不安感
- 動悸
- 肩こり
- 頭痛・腰痛
- 吐き気
- 冷え症(手足の冷え)
- むくみ(浮腫)
- 不眠症
- 月経異常
- 便通の変化(便秘・下痢)…など
これらの症状によって日常生活に支障が出ている場合や、症状が長く続く場合は、更年期障害の可能性も考えられます。
気になる症状があるときは、婦人科・産婦人科を受診し、医師へ相談しましょう。
更年期・生理中に下痢になる主な原因
ここでは、更年期や生理中に下痢が起こる主な原因について解説します。
女性ホルモンの変化
更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が大きく変動する時期です。
エストロゲンの変動は、更年期症状の一因になると考えられています。1)
下痢も、更年期症状のひとつとして現れる場合があり、背景には自律神経の働きが関係していると考えられています(詳しくは次項で解説)。
また、生理中には子宮内膜を体外へ排出するために、「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。プロスタグランジンは子宮を収縮させるだけでなく、腸の動きも活発にする作用があるため、生理痛とともに下痢を引き起こす場合があります。2)
更年期と生理では原因は異なるものの、どちらも女性ホルモンの変化が下痢に関係する可能性があります。
自律神経の乱れ
更年期は、女性ホルモンの変動に伴い、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。自律神経は体温や血圧だけでなく、胃腸の働きも調節しています。
腸は、内容物を運ぶために「蠕動(ぜんどう)運動」を繰り返しています。
自律神経はこの蠕動運動を調節しており、自律神経のバランスが乱れると腸の働きに影響を及ぼします。
その結果、下痢などの消化器症状につながる場合があります。3)
また、更年期はホットフラッシュや睡眠不足、精神的なストレスなど、さまざまな不調が重なりやすい時期です。
これらは自律神経の乱れと相互に関連し合い、下痢を引き起こす一因になる場合があります。
ストレスや生活習慣の乱れ
更年期は、仕事や家庭環境の変化などが重なり、ストレスを感じやすい時期です。
また、体調の変化によって生活リズムが乱れ、食生活が不規則になることもあります。
こうしたストレスによる暴飲暴食や、アルコールの飲み過ぎなどは胃腸へ負担をかけ、下痢につながる場合があります。
更年期・生理中の下痢を改善するための対策
更年期の下痢を改善するためには、食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。
ここからは、下痢改善のために取り入れたい対策をご紹介します。
消化のよい食事を心がける
下痢の症状があるときは、胃腸を休ませるためにも、胃腸への負担が少ない消化のよい食事を意識しましょう。
一方で、脂っこい料理や刺激の強い食事、アルコールは症状を悪化させる可能性があるため、症状が落ち着くまではできるだけ控えましょう。
体を冷やさない
体の冷えは、更年期に感じやすい不調のひとつです。冷えによって胃腸の働きに影響が及ぶ場合もあるため、下痢が気になるときは、体を冷やさないよう心がけましょう。
冷たい飲み物や食べ物を控え、腹部を温めたり、ゆっくり入浴したりするなど、体を冷やさない工夫を取り入れることが大切です。
生活リズムを整える
睡眠不足やストレスは自律神経の乱れにつながり、下痢の原因となる場合があります。
十分な睡眠をとり、できるだけ決まった時間に起床・就寝を心がけましょう。
また、ウォーキングなどの適度な運動や趣味の時間を楽しんだり、深呼吸などでリラックスする時間を取り入れたりすることも大切です。
症状が続く場合は医療機関を受診する
セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、下痢を繰り返す場合は、医療機関へ相談しましょう。
症状に応じて整腸剤や漢方薬などが処方される場合があります。
また、下痢の原因が更年期ではなく、過敏性腸症候群(IBS)やその他の消化器疾患である可能性もあるため、自己判断で長期間放置しないことが大切です。
更年期・生理中の下痢改善には腸内環境を知ることも大切
更年期や生理中の下痢を改善するには、腸内環境の状態を正しく把握することが重要です。
女性ホルモンと腸内環境の関係
近年では、腸内細菌の一部が女性ホルモンであるエストロゲンの代謝や、体内の炎症反応に関与する可能性が研究されています。4)
一方で、更年期症状と腸内環境との関係には、まだ解明されていない点も多くあります。現時点では、腸内環境を整えることで更年期症状が改善すると結論づけられているわけではありません。
しかし、更年期症状と腸内環境との関連が示唆されていることから、生活習慣を見直すことに加えて、自身の腸内環境を把握し、健康管理の参考にするという考え方もあります。
更年期や生理中の下痢対策では、生活習慣の見直しを基本としながら、自身の腸内環境にも目を向けてみるとよいでしょう。
腸内環境を知る方法のひとつが腸内フローラ検査
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更年期や生理中の下痢は、女性ホルモンの変化や自律神経の乱れなど、さまざまな要因が重なって起こることがあります。
まずは、消化のよい食事や体を冷やさない工夫、規則正しい生活を心がけ、腸内環境を整えることが大切です。
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まずは現在のコンディションを把握し、無理のない範囲で生活改善に取り入れてみるのもよいでしょう。
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健腸ナビの詳細を見る >参考
1)厚生労働省.更年期世代の女性の健康支援に関する学習資材.
2)マイピル. 生理中の下痢の原因と正しい対処法・予防策【産婦人科医監修】
3)本郷道夫. 自律神経と消化器症状. 自律神経. 2021;58(4):261-265.
4)Sharma, A., & Kaur, G. Spotlight on the Gut Microbiome in Menopause: Current Insights. International Journal of Women’s Health. 2024;16:1149–1165.
