腸内フローラ検査はPMS対策に役立つ?腸内フローラとPMSの関係とは

腸内フローラ検査

2026.10.05

月経前になるとイライラや気分の落ち込み、腹痛や頭痛に悩まされてはいませんか?
近年の研究では、PMS(月経前症候群)のある女性と健常な女性では、腸内細菌叢(腸内フローラともいう)の構成に違いがみられることが報告されています。

腸内フローラ検査はPMSを診断するものではありませんが、自身の腸内細菌の構成や腸内環境の特徴を把握し、食生活や生活習慣を見直すための参考として活用できます。

本記事では、腸内フローラ検査でPMSについてわかることをはじめ、PMSと腸内フローラの関係や研究成果、検査結果をPMS対策に活用する方法について解説します。

腸内フローラ検査でPMSについて何がわかる?

腸内フローラ検査は、PMSを診断したり、症状の原因を特定したりするための検査ではありません。

一方、近年の研究では、PMSのある女性と健常女性で腸内フローラの構成に違いがみられることが報告されています。

腸内フローラ検査のなかには、PMSとの関連が研究されている腸内細菌の割合や、PMSのリスク傾向などを確認できるものもあります。

そのため、自身の腸内環境を把握し、食生活や生活習慣を見直すための参考として活用できます。

「健腸ナビ」では、月経前症候群(PMS)を含む、30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、検査結果に基づいて腸内フローラの構成にあわせた食品の提案も行われます。
自身の腸内環境に合わせて、より効果的な生活改善に取り組みやすい点が特長です。

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PMSとは?月経前症候群の症状と原因

PMS(月経前症候群)とは、月経の3日から10日ほど前から心身に生じるさまざまな不調を指します。多くの女性が経験し、日常生活に支障をきたす場合もあります。

主な症状:頭痛・不安感・腹部膨満・むくみ

PMSの症状は多岐にわたります。

<身体面>頭痛・腹部の膨満感・むくみ・乳房の張り…など
<精神面>不安感・イライラ・気分の落ち込み…など

症状の重症度には個人差があり、日常生活に支障をきたす場合もあります。

原因:ホルモン変動と神経伝達物質の関与

PMSの原因は、月経周期に伴う女性ホルモンの変動にあると考えられています。このホルモン変動がセロトニンなどの神経伝達物質に影響を及ぼし、不調を引き起こすと示唆されています。心身両面にあらわれる症状は、こうした内分泌の変化が背景にあるのです。

PMSと腸内フローラ・腸内細菌の関係

PMS(月経前症候群)は、腸内フローラの状態と密接に関係することが近年の研究で示唆されています。腸内環境の乱れが、月経前のつらい症状を悪化させる要因になり得ると考えられています。 ここでは、腸と脳のつながりを軸に、両者の関係を解説します。

脳腸相関:GABAと月経前症候群の心の不調

腸と脳が相互に影響し合う「脳腸相関」は、PMSを理解するうえで重要な概念です。

近畿大学の研究では、PMSの女性は健康な女性に比べて、気持ちを落ち着かせる神経伝達物質「GABA」をつくる菌が少ない傾向にあることが報告されています。

腸内細菌はこうした神経伝達物質の産生を通じて脳の状態にも影響を与えていると考えられており、腸内環境の乱れが、イライラや落ち込みなどの精神的な不調につながっている可能性があります1)。

研究で明らかになった関連性

日本人女性を対象とした研究により、PMSと腸内細菌叢の関連性が明らかになりつつあります。シンバイオシス・ソリューションズ株式会社(当社)や近畿大学をはじめとする研究機関の調査で、PMSに悩む女性は健康な女性と異なる特徴的な腸内細菌の構成を持つことが報告されています。

こうした成果は、腸内フローラを整えることがPMS対策になりうることや、腸内フローラの構成がPMSの評価指標となる可能性を示唆しています。

当社の研究でわかった「コリンセラ菌」との関係

当社では、PMSに悩む日本人女性24名と、健康な女性144名の腸内細菌を比較する研究を行いました。

その結果、PMSの女性は健康な女性に比べて、糖を分解する「Collinsella(コリンセラ)」という菌の割合が、約4.5倍も高いことがわかりました2)。コリンセラは、肉類を多く食べる方や、食物繊維が不足しがちな方で増えやすいとされる菌です。

この結果は2022年に国際学術誌(International Journal of Women’s Health)にも掲載されており、日々の食生活を見直すことがPMS対策の手がかりになる可能性を示しています。

本研究について、詳しくはこちら

PMSに特徴的な腸内フローラの構成

近畿大学の研究では、PMSの女性は健常女性と比べて、腸内細菌の構成に違いがみられることが報告されています1)。

特に、酪酸をつくる「酪酸菌」の割合が少ない人ほど、症状と関わりがある可能性が示されています。酪酸は腸の炎症を抑え、腸内環境を整える働きを持つとされる成分です。腸内フローラのバランスを保つことが、PMSの症状緩和につながると考えられます。

腸内フローラ検査からみるPMSと腸内細菌の関係

腸内フローラ検査の中には、便に含まれる腸内細菌叢の構成から、PMS(月経前症候群)のリスク傾向を確認できるものがあります。
また、菌のバランスを可視化することで、症状の背景を客観的に把握できます。

検査で注目される菌:Megasphaera・Parabacteroidesなど

近畿大学の研究では、Megasphaera(メガスフィラ)やParabacteroides(パラバクテロイデス)といった菌の割合が高い人ほど、PMSの症状が軽い傾向にあることが報告されています1)。

これらの菌は、酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸をつくる働きを持つことで知られています。前述のとおり、当社の研究で報告した「コリンセラ」も、こうした腸内フローラ検査で確認できる菌の一つです。検査ではこうした菌の存在比を確認することで、腸内環境の状態を把握ことができます。

重症度と腸内細菌叢の関係を示す研究成果

日本人女性を対象とした研究では、PMSの重症度と腸内細菌叢の構成に関連があることが示唆されています1)。

特定の菌の割合が症状の程度と対応する可能性が報告されており、検査結果を状態把握の手がかりとして活用できる可能性があります。このように腸内フローラ検査は、菌の解析を通じてPMSの状態を客観的に捉える有効な手段といえます。

PMS対策のためにできること

PMSへの対策は、日常生活で行うセルフケアと医療機関での治療を組み合わせることが有効です。腸内環境の改善から専門的な治療まで、症状の重症度に応じて選択することが望まれます。

プロバイオティクス・プレバイオティクス・食物繊維

腸内フローラを整える取り組みは、PMS対策として注目されています。食物繊維やオリゴ糖といったプレバイオティクスを積極的に取り入れることで、酪酸をつくる菌など、腸内フローラのバランスを保つ助けになると考えられます。

一方、プロバイオティクスとして広く使われる「ビフィズス菌(Bifidobacterium)」について、当社の研究によるとPMSの女性は健康な女性に比べてその割合が高い傾向にあることがわかっています2)。

菌の増減とPMS症状との因果関係はまだ明らかになっていないものの、誰にでも一律にプラスに働くとは限らないため、摂取する際は腸内フローラ検査などで自身の状態を確認したうえで判断することをおすすめします。

産婦人科・婦人科での治療と対症療法

症状がつらい場合は、産婦人科や婦人科の専門医に相談してください。

医師は症状の重症度を診断し、頭痛や関節痛、乳房の痛みなどに応じた対症療法を行います。内分泌の調整を目的とした治療により、症状が和らぐことが期待されます。

生活習慣の見直しと東洋医学的アプローチ

規則正しい生活習慣の見直しは、PMS対策の基本です。十分な睡眠と適度な運動が不安感や気分の落ち込みを軽減します。

加えて、体質に着目する東洋医学的アプローチも、腹部の膨満やむくみといった不調の緩和に役立つとされています。セルフケアと医療を併用し、自身に合った方法を見つけることが大切です。

腸内フローラ検査「健腸ナビ」を活用

自身の腸内環境を客観的に把握するには、腸内フローラ検査「健腸ナビ」の活用がおすすめです。

検査結果から自身の腸内細菌の構成を把握できるだけでなく、PMSをはじめとした病気のリスクを把握できます。また、検査結果をもとに、自身の腸内フローラに合ったおすすめの食品情報も提供されます。

さらに、PMSとの関連が研究されている酪酸菌の割合なども確認できます。こうした検査結果を、自身の食生活や生活習慣を見直す際の参考として活用してみましょう。

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まとめ

近年の研究により、腸内細菌が神経伝達物質の産生などを通じて心身の不調に関与することが示唆されており、PMS(月経前症候群)の症状を和らげるには、腸内フローラを整えることが有効な選択肢の一つと考えられます。実際、腸内フローラ検査で自身の状態を把握したうえで、食物繊維をはじめとする食生活の見直しを行うことで、月経前のイライラや腹部の膨満といった症状の軽減が期待できます。改善が難しい重症例では、婦人科など専門医への相談も欠かせません。しかし、腸内環境と向き合うことは、つらいPMSと向き合う新たな手がかりとなり、日々のセルフケアと適切な治療を組み合わせることで、症状緩和への近道となる可能性があります。

「健腸ナビ」は、自宅で便を採取して送るだけで利用できる、腸内細菌叢の検査・分析サービスです。
PMS(月経前症候群)を含む30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、検査結果に基づいて腸内フローラの構成にあわせた食品の提案も行われます。

30以上の病気のリスクを可視化

日本人約27,000人の腸内細菌叢データをもとに、腸内環境の傾向を分析し、大腸がんや認知症などの病気リスクを可視化。特許取得済みの解析手法により、詳細なレポートで腸内環境の状態を把握できます。

性差を考慮した精密な分析

腸内細菌叢は男女で異なる特徴があり、病気と関連する腸内細菌の傾向にも違いがあります。健腸ナビでは、性差をふまえて男女別に分析が行われており、より個々の状態に即した形で腸内環境を把握できます。

自分に合ったおすすめの食品情報

分析結果から導き出された、自身の腸内フローラの構成をふまえたおすすめ食品をご提案。日々の食事選びの指針として、無理のない生活習慣の改善をサポートします。

まずは現在の腸内環境を把握し、自分に合った食事や生活習慣の改善に取り組んでみましょう。

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参考文献

1)Takeda, T. et al. Characteristics of the gut microbiota in women with premenstrual symptoms: A cross-sectional study. PLOS ONE 17(5), e0268466 (2022).
2)Okuma, K. et al. Characteristics of the Gut Microbiota in Japanese Patients with Premenstrual Syndrome. Int. J. Womens Health 14, 1435-1445 (2022).