50代からできる認知症予防|生活習慣と健康管理のポイントを解説
年代別
認知症予防には、運動や食事、睡眠などの生活習慣を整えることに加え、自身の健康状態を把握することも大切です。
とくに50代は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が増えやすくなる年代であり、将来の健康に備えて生活習慣を見直しておきたい時期でもあります。
本記事では、50代からできる認知症予防の方法や認知症のサイン、MCI(軽度認知障害)リスク、健康状態を確認する方法について解説します。
目次
50代から認知症予防を始めることが大切な理由
50代は、将来の認知症リスクに備えて生活習慣を見直しておきたい年代です。
認知症は突然発症するものではなく、症状が現れる何年も前から脳に原因となる変化が少しずつ積み重なっていると考えられています。
そのため、症状が現れてからではなく、早い段階から予防を意識することが大切です。
また、50代は高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が増えやすい年代でもあります。これらは認知症リスクとも関連していることがわかっています。
女性では、更年期や閉経による心身の変化を感じる人も多い時期です。物忘れや集中力の低下が気になることもあるでしょう。
また、男女を問わず加齢や生活習慣の乱れ、ストレスなどの影響を受けやすい年代でもあります。
こうした変化をきっかけに、自身の健康状態や生活習慣を見直すことが大切です。
将来の健康寿命を延ばすためにも、50代のうちから生活習慣を見直し、認知症予防に取り組みましょう。
⇒50代からの認知症予防の方法についてこちらで解説
認知症について知っておきたい基礎知識
認知症予防に取り組むためには、まず認知症がどのようなものかを知ることが大切です。
認知症とはどのような状態?
認知症とは、脳の病気や障害など、さまざまな原因によって認知機能が低下し、記憶力や判断力などに影響が出て、日常生活に支障をきたす状態のことです。
加齢によるもの忘れと認知症の違いについてこちらで解説
主な認知症の種類
発症の原因はさまざまですが、主な認知症とその原因は以下のようにまとめられます。
| 種類 | 主な原因 |
|---|---|
| アルツハイマー型認知症1) | 脳内にアミロイドβなどのたんぱく質が蓄積することなどが関係するとされている |
| 脳血管性認知症2) | 脳梗塞・脳内出血などの脳血管疾患が関係するとされている |
| レビー小体型認知症3) | 脳内にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積することが関係するとされている |
| 前頭側頭型認知症3) | 前頭葉や側頭葉の神経細胞が変性・萎縮することが関係するとされている |
MCI(軽度認知障害)とは
認知症の前段階として「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる状態があります。
MCIは認知症ではありませんが、認知機能の低下がみられる状態です。
そのまま認知症へ進行する場合もあれば、適切な対応によって健常な状態に戻ることもあるとされています。
認知機能の変化に早期に気づき、生活習慣を見直すことで、認知症への移行を遅らせるだけでなく、回復する可能性があるとされています。
50代からの認知症予防の方法
50代からの認知症予防には、日々の生活習慣を整えることが大切だと考えられています。
具体的には、以下のような方法を意識するとよいでしょう。
適度な運動を習慣にする
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、軽い筋力トレーニング、ストレッチなど、無理のない運動を習慣にしましょう。
運動は体力維持だけでなく、高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病予防にも重要です。
運動不足が続くと、生活習慣病のリスクが高まる可能性もあるため、日常的に体を動かす習慣を意識しましょう。
近年では、運動によって「脳由来神経栄養因子(BDNF)」と呼ばれる物質が増加する可能性も報告されています。
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、脳の神経細胞の維持や働きに関わるとされており、認知症予防との関連についても研究が進められています。4)
また、認知症予防を目的とした運動として、「コグニサイズ」と呼ばれる取り組みもあります。
国立長寿医療研究センターが開発した、運動と認知課題(計算やしりとりなど)を組み合わせた取り組みです。
体を動かしながら頭を使うことで、脳への刺激が期待できます。
【例】
- 足踏みをしながら計算をする
- 歩きながらしりとりをする
- ステップ運動をしながら曜日を答える …など
コグニサイズは特別な器具がなくても取り組めるため、日常生活の中に無理なく取り入れやすい方法のひとつです。
バランスのよい食事を意識する
さまざまな食品をかたよりなく摂取している人ほど、認知機能の低下リスクが低いとする研究もあります。
そのため、認知症予防を意識するなら、主食・主菜・副菜をそろえ、魚、野菜、豆類、発酵食品などを取り入れながら、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
とくに、青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、認知症予防との関連が研究されている栄養素です。6)
また、糖質や脂質、塩分の摂りすぎにも注意が必要です。食事の乱れは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にも関わります。
睡眠の質を整える
睡眠不足は日中の集中力低下につながるだけでなく、認知機能との関連も指摘されています。
睡眠中には脳内の老廃物の排出に関わる仕組みが働くと考えられており、近年は睡眠と認知症の関係についても研究が進められています。7)
- 毎日なるべく同じ時間に寝起きする
- 寝る前のスマホを控える
- 夜遅い飲酒を避ける …など、
生活リズムを整えることを意識しましょう。
人との交流を持つ
人との交流も、認知症予防を考えるうえで大切な要素のひとつです。
家族や友人との会話、趣味や地域活動への参加などは、相手の話を理解したり、自分の考えを伝えたりするため、自然と脳を使う機会が生まれます。
50代は、仕事や家庭の環境が変化しやすい年代です。仕事以外のつながりや趣味の場を持つことで、孤立を防ぎ、心身の健康を保ちやすくなります。
新しいことに挑戦する
料理や読書、楽器、語学など、新しいことに挑戦することも認知症予防を意識するうえで大切です。
新しいことを始めると、覚える・考える・工夫するといった場面が増え、普段とは違う形で脳を使う機会が生まれます。
また、パズルや脳トレなどの知的活動に取り組むのもよいでしょう。
難しいことを始める必要はありません。
新しいレシピを試す、普段と違う道を歩く、行ったことのない場所へ出かけるなど、身近なことから取り入れてみましょう。
大切なのは、無理をせず楽しみながら続けることです。
生活習慣病を放置しない
高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、認知症リスクとも関係するとされています。8)
これらの病気は自覚症状が少ないこともあるため、気づかないうちに進行している場合があります。
認知症予防を意識するなら、健康診断の結果を確認しながら、日頃から自身の健康状態を把握しておくことが大切です。
健康状態を把握する方法として、腸内フローラ検査があります。
「健腸ナビ」では、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを含む30以上の健康リスクを確認できます。
また、認知症・MCI(軽度認知障害)リスクの傾向も確認できるため、将来の健康に備えるきっかけとして活用できます。
自身の健康状態を把握し、早めに生活習慣を見直したい方は活用を検討してみましょう。
\ 腸内細菌の精密な検査で健康づくり /
健腸ナビの詳細を見る >50代で気をつけたい認知症のサイン
50代では加齢によるもの忘れや更年期による物忘れなどが気になることもありますが、中には認知症の初期症状が隠れている場合もあります。
気になる変化がある場合は、まず加齢による変化との違いや認知症のサインを確認してみましょう。
加齢によるもの忘れと認知症の違い
加齢によるもの忘れと認知症では、忘れ方に違いがあります。
まずは、それぞれの特徴を確認してみましょう。9)10)
| 加齢によるもの忘れ | 認知症が疑われるもの忘れ |
|---|---|
|
|
※上記は一般的な目安です。
認知症の初期症状をセルフチェック
認知症の初期症状は、日常生活の中の小さな変化として現れることがあります。
以下のような変化がないか確認してみましょう。
- 同じ話を何度もする
- 約束や予定を忘れる
- 慣れた道で迷う
- 家電製品の操作に戸惑う
- 探し物が増える
- 怒りっぽくなる
- 意欲が低下する
- 身だしなみや家事への関心が薄れる
※このチェックリストは診断ではなく、受診を考える目安として活用するものです。
ただし、上記に当てはまるからといって、必ずしも認知症とは限りません。
もの忘れなどで「いつもと違う」と感じる変化が続く場合は、自己判断せず、かかりつけ医や神経内科、認知症専門医への相談を検討しましょう。
認知症予防のために健康状態をチェック
認知症リスクとの関連が指摘されている高血圧や糖尿病などは、自覚症状が少ないこともあります。
認知症予防を意識するなら、健康診断や各種検査を活用し、定期的に健康状態を確認しておきましょう。
健康診断の結果を確認する
健康診断の結果は、自身の健康状態を数値で確認できます。
とくに、血圧・血糖値・コレステロール値・中性脂肪・体重などの数値を確認することで、高血圧や糖尿病、脂質異常症の有無を把握できます。
これらの生活習慣病は認知症リスクとの関連も示唆されています。
そのため、異常値がある場合は放置せず、生活習慣の見直しや医療機関への相談を検討しましょう。11)
腸内フローラ検査で認知症・MCIリスクを知る
腸内フローラ検査の中には、腸内細菌の構成やバランスから、認知症やMCIとの関連について確認できるものもあります。
近年では、軽度認知障害(MCI)の方と健常者とで腸内細菌の構成に違いがみられることが報告されています。12)
また、高齢の認知症患者では特定の腸内細菌が少ない傾向も報告されており、腸内環境と認知症リスクとの関連に注目が集まっています。
腸内フローラ検査では、こうした腸内細菌の構成やバランスを把握することができます。自身の腸内環境の状態を知ることは、認知症リスクを考えるうえでの参考になる可能性があります。軽度認知障害(MCI)のうちにリスクを発見することで、早めの治療につなげられる可能性もあります。
ただし、腸内フローラ検査は認知症を診断するものではありません。
将来的なリスクの参考として活用し、生活習慣の改善に役立てることが重要です。
「健腸ナビ」では、認知症・MCIを含む30以上の健康リスクを確認できます。
検査結果に基づいて腸内環境の傾向を把握できるほか、腸内フローラの構成に合わせた食品の提案も受けられます。
認知症予防に向けて、自身の認知症・MCIリスクや腸内環境を把握したい方はチェックしてみてください。
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健腸ナビの詳細を見る >50代は認知症予防を始める大切なタイミング
認知症は突然発症するものではなく、症状が現れる何年も前から脳に原因となる変化が少しずつ積み重なっていると考えられています。そのため、50代は将来の認知症リスクに備えて生活習慣を見直しておきたい年代です。
認知症を完全に防ぐ方法は確立されていませんが、運動や食事、睡眠、人との交流などを意識しながら生活することは、認知症予防につながる可能性があります。
また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を放置せず、自身の健康状態を把握することも大切です。健康診断や各種検査も活用しながら、日頃から健康管理を心がけましょう。
もの忘れや気になる変化がある場合は、そのままにせず早めにかかりつけ医や専門医へ相談することも重要です。できることから少しずつ取り組み、将来の健康に備えていきましょう。
「健腸ナビ」は、自宅で便を採取して送るだけで利用できる、腸内細菌叢の検査・分析サービスです。
30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、検査結果に基づいて腸内フローラの構成にあわせた食品の提案も行われます。
自身の腸内環境に合わせて、より効果的な生活改善に取り組みやすい点が特長です。
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日本人約27,000人の腸内細菌叢データをもとに、腸内環境の傾向を分析し、大腸がんや認知症などの病気リスクを可視化。特許取得済みの解析手法により、詳細なレポートで腸内環境の状態を把握できます。
性差に考慮した精密な分析
腸内細菌叢は男女で異なる特徴があり、病気と関連する腸内細菌の傾向にも違いがあります。健腸ナビでは、性差をふまえて男女別に分析が行われており、より個々の状態に即した形で腸内環境を把握できます。
自分に合ったおすすめの食品情報
分析結果から導き出された、自身の腸内フローラの構成をふまえたおすすめ食品をご提案。日々の食事選びの指針として、無理のない生活習慣の改善をサポートします。
認知症予防は、特別なことを始めるのではなく、毎日の積み重ねが大切です。
まずは現在の腸内環境を把握し、自分に合った食事や生活習慣の改善に取り組んでみましょう。
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健腸ナビの詳細を見る >参考
1)厚生労働省. アルツハイマー病とは
2)公益財団法人長寿科学振興財団.脳血管性認知症
3)政府広報オンライン.知っておきたい認知症の基本
4)Erickson, K. I., et al. (2011)
5)国立長寿医療研究センター.認知症予防運動プログラム「コグニサイズ」
6)Wei, B. Z., et al. The Relationship of Omega-3 Fatty Acids with Dementia and Cognitive Function: A Systematic Review and Meta-Analysis. Advances in Nutrition, 14(5), 2023.
7)Nedergaard, M., Goldman, S. A. Glymphatic failure as a final common pathway to dementia. Science Translational Medicine, 13(620), 2021.
8)Livingston, G., Huntley, J., Sommerlad, A., et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. The Lancet, 396(10248), 413-446, 2020.
9)国立長寿医療研究センター.もの忘れと認知症の違い
10)厚生労働省.認知症
11)厚生労働省.MCIハンドブック
12)Hatayama, K. et al. Biomedicines 11, 1789 (2023)