腸内フローラ検査は意味ない? 検査でわかることや活用方法をわかりやすく解説
菌と健康
「腸内フローラ検査は意味ないのでは?」と感じている方もいるかもしれません。
腸内フローラ検査は、腸内細菌の種類やバランスから腸内環境の傾向を把握できる検査です。
その結果をもとに、自分に合った食生活や生活習慣の見直しに役立てることができます。
この記事では、「意味ない」と言われる理由を整理しながら、検査でわかることや結果の活用方法、どのような人に向いているかをわかりやすく解説します。
腸内フローラ検査は意味ない?
腸内フローラ検査は「意味がない」わけではありません。
腸内フローラ検査で腸内細菌のバランスや多様性を分析することで、自分の腸内環境の特徴を把握でき、食生活や生活習慣を見直すきっかけになります。
ただし、病気の診断につながる検査ではないため、結果の捉え方によっては価値を感じにくい場合があります。
実際、「意味がない」といわれる背景には、結果の解釈が難しく、生活改善に活かしにくいと感じる方がいることが挙げられます。
腸内フローラ検査が意味ないと言われる理由
腸内フローラ検査が「意味ない」と言われる理由には、主に以下の4点があると考えられます。
1. 病気を診断するための検査ではない
2. 研究段階の領域も多い
3. 検査サービスによってわかることが大きく異なる
4. 結果の活かし方がわかりにくい
●病気を診断するための検査ではない
腸内フローラ検査は、病気を診断するための検査ではありません。
腸内細菌の種類やバランスを分析し、腸内環境の特徴を把握することを目的とした検査です。
医療機関の検査のように病気の有無を判断できるわけではないため、この点から「意味ないのでは」と感じる方もいるようです。
●研究段階の領域も多い
腸内細菌の研究は日々進んでいますが、現在においても研究段階の領域が多く、決定的なエビデンス(科学的根拠)が確立されていない分野も存在します。
検査結果の解釈には幅があり、アドバイスも「〜の可能性がある」「〜と言われている」といった表現にとどまる場合があります。
そのため、検査結果の解釈が難しく「結果をどう受け止めればよいのか分かりにくい」と感じ「意味がない」と、とらえられる原因のひとつと考えられます。
●検査サービスによってわかることが大きく異なる
腸内フローラ検査は、検査サービスによって検出できる菌の種類や解析の精度、結果の表示方法などが大きく異なります。
そのため、どの検査でも同じ内容がわかるわけではありません。
検査サービスによって得られる情報の範囲や結果の示し方が異なるため、この違いから「意味ないのでは」と感じる方もいるようです。
●結果の活かし方がわかりにくい
腸内フローラ検査のサービスには、食事や生活習慣のアドバイスが含まれるものもあれば、検査結果の提示にとどまるものもあります。
そのため、検査結果が出ても「何を食べるべきか」「どの習慣を見直すべきか」といった具体的な行動につなげにくい場合があります。
結果をどう活かせばよいのか分からず「意味ないのでは」と、とらえる方もいるようです。
そもそも腸内フローラ検査とは?
腸内フローラ検査とは、便中に含まれる腸内細菌の種類やバランス(割合)を分析して、腸内環境の状態を可視化する検査です。
私たちの腸内には多様な細菌が存在しています。
これらの細菌が同じ種類で群れを作って生息する様子が「お花畑(フローラ)」のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれます。
腸内細菌は、腸内で食べ物の消化吸収に関わるほか、免疫や代謝など体の重要な機能にも関与していると考えられています。
また、腸内フローラの構成は、食生活や運動、睡眠といった生活習慣やストレスなどと関連があるといわれています。
さらに、近年の研究から、特定の細菌と病気の関連性も明らかになってきました。
腸内フローラ検査では、腸内細菌の構成を分析することで、自分の腸内環境の特徴を知り、食生活や生活習慣の見直しに役立てることが目的とされています。
腸内フローラ検査でわかること
腸内フローラ検査では以下のようなことが分かります。
・腸内細菌の種類・バランス
・腸内環境の特徴や体質傾向
・特定の病気との関連
●腸内細菌の種類・バランス
腸内フローラ検査では、腸内細菌の種類やバランス(割合)、多様性などを知ることができます。
腸内には、以下のようなさまざまな菌が存在します。
・善玉菌の代表であるビフィズス菌
・免疫力や腸のバリア機能向上に役立つ酪酸菌
・女性の健康と関わるエクオール産生菌…など
これらの菌がどのくらい存在しているかを分析することで、腸内の状態を把握できます。
※検出できる菌の種類は、検査によって異なります
ビフィズス菌について詳しくはこちら
酪酸菌について詳しくはこちら
エクオール産生菌について詳しくはこちら
●腸内環境の特徴や体質傾向
腸内フローラ検査では、腸内細菌のバランスや構成から、自身の体質傾向を把握することができます。
たとえば、太りやすさや便秘・下痢の傾向、食事の影響の受けやすさなど、日々の体調や生活習慣に関わる特徴が見えてきます。
また、腸内環境のタイプ分類は、自分に合った食事や生活改善の方向性を知る手がかりにもなります。
●特定の病気との関連
腸内フローラ検査では、腸内細菌の構成と病気との関連についても確認できる場合があります。
腸内細菌のバランスと健康状態との関係についてはさまざまな研究が進められており、消化器系の病気やアレルギー、生活習慣病などとの関連が指摘されています。
ただし、こうした関連はすべてが明確に解明されているわけではなく、検査によってわかる内容にも違いがあります。
そのため、「診断」としてではなく、将来的なリスク傾向を把握し、生活改善に活かすための参考情報として活用することが重要です。
腸内細菌と病気の関連については、こちらで詳しく解説しています。
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腸内フローラ検査の結果はどう活用できる?
腸内フローラ検査の結果は、生活改善や健康管理に活用できます。
食生活の見直しや将来の健康を意識した対策など、具体的な行動につなげられます。
・食生活の改善
・病気の予防や未病への対策
●食生活の改善
腸内フローラ検査の結果は、食生活の見直しをする際の参考になります。
たとえば、検査により有益な細菌の割合が低い場合は、その菌のエサとなる食物繊維や発酵食品を意識的に取り入れることで、腸内環境の改善につながる可能性があります。
また、腸内細菌の多様性が低い場合は、偏った食事を見直す、栄養バランスを整えるといったことが改善につながる可能性があります。
必要に応じて、サプリメントなどを活用する方法もあります。
●病気の予防や未病への対策
腸内フローラ検査の結果から、腸内環境の状態や体質傾向を把握できます。
これらの情報は、不調の原因や病気の予防・未病対策を考えるうえでの判断材料になります。
たとえば、
・生活習慣を見直す
・必要に応じて医療機関を受診する
・医師や管理栄養士の指導を受ける …などの行動につなげられます。
また、腸内フローラ検査の中には、より詳細な分析結果をもとに具体的なアドバイスが得られるサービスもあります。
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腸内フローラ検査がおすすめな人は?
腸内フローラ検査は、以下のような人におすすめです。
・腸内環境を客観的に知りたい人
・腸活をより具体的に行いたい人
・便秘や下痢など腸の不調について情報を整理したい人
・健康管理の一環として腸内環境をチェックしたい人 …など
一方で、「病気・不調の診断を受けたい」という人には向きません。
その場合は、早めにクリニックや医療機関を受診することが大切です。
ただし、腸内フローラ検査の中には、健康状態の傾向や病気のリスクを把握できるサービスもあります。
「健腸ナビ」では、30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、腸内環境の状態や生活改善へ向けてのおすすめ食品のアドバイスも受けることができます。
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腸内フローラ検査の流れや費用
腸内フローラ検査の費用は、2万〜4万円程度が目安です。
検査内容やサポート範囲によって価格に差があります。
たとえば、腸内細菌の分類を中心とした簡易的な検査もあれば、病気との関連性の分析や、食事・生活改善のアドバイスまで含まれる検査もあります。
費用だけでなく、「どこまでわかり、どう活用できるか」を基準に選ぶことが大切です。
【腸内フローラ検査の流れ】
①キットを入手する
・自宅に配送されるキットを購入する方法と、医療機関で説明を受けたうえで受け取る方法がある
・医療機関で受ける場合は、体調や生活習慣について簡単なヒアリングが行われる場合もある
②便を採取して送付する
・自宅で便を採取し、検査会社へ送付する
・採取方法や保存状態によって結果に影響するため、説明書に従って正しく行う
②結果を確認する
・数週間〜1カ月程度で結果が確認できる
・自宅検査キットの場合は、Webや書面で結果を確認するケースが一般的
・医療機関で受けた場合は、結果について対面で説明を受けられることもある
・腸内環境の状態や体質傾向などが示される
・生活改善のアドバイスや推奨食品の情報などが示されているサービスもある
腸内フローラ検査の背景にある腸内細菌と病気の研究
腸内細菌と健康状態の関係については、世界中でさまざまな研究が進められています。
ここでは以下の代表的な研究分野を紹介します。
・消化器系の病気
・アレルギー性の病気
・生活習慣病
・脳や神経系の病気
・その他の病気
気になる項目を中心に、参考情報としてご覧ください。
●消化器系の病気
腸内細菌は、消化器系の病気と深く関わる可能性があると考えられています。
代表例に、潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群(IBS)が挙げられます。
これらの患者の腸内フローラは、健康な人と比較して構成が大きく異なることが報告されています。
【潰瘍性大腸炎】
腸内フローラの乱れが病状に関わると考えられています。
近年では、健康な人の腸内細菌を移植する「腸内細菌移植(FMT)」という治療法の研究も進められています。
実際に、この治療によって潰瘍性大腸炎の改善や寛解が見られた例も報告されています。
(参考:順天堂大学)
【過敏性腸症候群(IBS)】
腸内フローラの乱れが腸管のバリア機能などに影響し、腹痛や下痢、便秘などの症状に関わる要因の一つになっていると考えられています。
このほか、大腸がんについても、一部の患者で腸内細菌が発がんに関与する可能性が指摘されており、研究が進められています。(参考:国立がん研究センター)
過敏性腸症候群と腸内細菌の関連について詳しくはこちら
●アレルギー性の病気
腸内フローラの多様性の低下やバランスの乱れが、以下のようなアレルギー性疾患に関与している可能性が指摘されています。
・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
・花粉症
・喘息
たとえば、小児のアトピー性皮膚炎では、ビフィズス菌の摂取により腸内フローラが変化し、症状の改善が見られたとする研究報告があります(参考:関西医科大学)。
また、成人男性の患者においても腸内フローラの乱れが確認されており、特定の菌の増減が症状の重症度と関連している可能性が示されています(参考:日本獣医生命科学大学)。
腸内細菌が花粉症の新しい治し方に?!腸内フローラから花粉症対策
●生活習慣病
肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病でも、腸内フローラのバランスとの関連が指摘されています。
腸内細菌は、食事から摂取した栄養を分解・代謝する働きを持っており、その構成によってエネルギーの吸収に影響を与える可能性があると考えられています。
一部の研究では、特定の細菌の比率が高い人は、痩せやすい体質になるという報告もあります。
肥満と腸内細菌の関連について詳しくはこちら
●脳や神経系の病気
腸と脳は神経を介してつながり、互いに影響を及ぼし合う関係(腸脳相関)にあると考えられています。
また、神経系だけでなく、ホルモンを介した内分泌系や免疫系も関与しているとされており、複数の経路を通じて相互に影響し合う仕組みが指摘されています。
近年の研究では、腸内細菌がメンタルヘルスや脳・神経系の病気にも関与している可能性が示唆されています。
【メンタルヘルス・発達障害】
うつ病や自閉スペクトラム症などでは、腸内フローラの乱れとの関与が指摘されています。
【認知症・軽度認知障害(MCI)】
高齢の認知症患者では、特定の腸内細菌が少ない傾向が報告されています。
また、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」においても、腸内細菌との関連が指摘されています(参照:国立長寿医療研究センター)。
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●その他の病気
ほかにも、以下のような病気と腸内細菌の関連が指摘されています。
・自己免疫に関連する病気(関節リウマチ、バセドウ病、橋本病など)
・婦人科系の病気(子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群など)
・腎臓病(慢性腎臓病、慢性腎不全など)
・肝臓病(脂肪性肝炎、肝硬変など)
現在も世界中で研究が進められており、今後さらに多くの知見が明らかになることが期待されています。
ただし、現時点では腸内フローラ検査は、病気の診断や治療方針を示すものではありません。
あくまで腸内環境の傾向を可視化し、生活改善に活かすための情報として位置づけられています。
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腸内フローラ検査で腸内環境を知ろう
腸内フローラ検査は、病気の診断につながらないことや、結果の解釈が難しいため、意味がないと言われる場合もあります。
しかし、検査結果を正しく理解し、自分の目的に合った形で活用することで、日々の体調管理や健康意識の向上につなげることができます。
また、検査サービスによって、分析できる内容や結果の示し方、アドバイスの具体性には差があります。
自分に合ったサービスを選ぶことも、検査結果を活かすうえで重要です。
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腸内環境を知ることは、日々の体調管理や将来の健康を考えるきっかけにもつながります。
まずは現在のコンディションを把握し、無理のない範囲で生活改善に取り入れてみるのもよいでしょう。
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