認知症予防にカレーが効く?| 認知症と腸の関係についても解説

疾患・病名

2026.07.08

「認知症予防にはカレーがよい」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

カレーに含まれるスパイスのひとつであるターメリック(ウコン)の成分は、認知機能との関連が研究されており、近年注目を集めています。

この記事では、カレーが認知症予防によいといわれる理由や研究でわかっていることを解説します。

また、認知症予防のために意識したい食生活のポイントや、近年研究が進められている腸内環境との関係についてもご紹介します。

カレーは認知症予防に効果あり?

現在のところ「カレーを食べれば認知症を予防できる」と断定できるわけではありません。

ただし、カレーに含まれるスパイスの成分が認知機能に良い影響を与える可能性が示されており、認知症予防との関連について研究が進められています。

とくに注目されているのが、ターメリック(ウコン)に含まれる「クルクミン」です。

ターメリックは、カレーに使われる代表的なスパイスのひとつとして知られています。

クルクミンには抗酸化作用や炎症を抑える働きがあるとされ、認知機能の低下やアルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドβの影響が研究されています。

一方で、こうした研究結果だけで認知症予防効果があると結論づけることはできません。

また、日常的に食べるカレーの量でどの程度の効果が期待できるのかも明確になっていません。

認知症予防を考えるうえでは、カレーだけに頼るのではなく、バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠、生活習慣病の予防などを含めた総合的な取り組みが大切です。

(参照)
Journal of Biological Chemistry「Therapeutic Potential of Turmeric in Alzheimer’s Disease: Curcumin or Curcuminoids?」

なぜカレーが認知症によいと言われているの?

カレーが認知症予防によいといわれる背景には、カレーに含まれるスパイスの成分や、カレーを食べる習慣と認知機能との関連を示した研究結果があります。

なかでも、ターメリック(ウコン)に含まれるクルクミンは多くの研究で注目されている成分です。

ターメリックに含まれるクルクミンが注目されている

クルクミンは、ターメリックに含まれるポリフェノールの一種で、認知症予防との関連が研究されています。

アルツハイマー型認知症の発症の原因物質と考えられているアミロイドβの脳内蓄積を抑える可能性が示唆されており、細胞実験や動物実験を中心に研究が進められています。

また、一部の疫学研究でも、クルクミンの摂取と認知機能との関連が報告されています

ただし、現時点ではヒトを対象とした研究結果は十分とはいえず、クルクミンの摂取によって認知症を予防できると結論づけるには至っていません。

カレーを食べる習慣と認知機能の関連が報告されている

シンガポールの高齢者を対象とした研究では、カレーを定期的に食べる人の方が認知機能テストの成績が良好な傾向が報告されています。

また、日本人を対象とした研究でも、カレーの摂取頻度と認知機能との関連が調査されています。

ただし、これらは観察研究であり、カレーを食べたことが認知機能の維持につながったと証明するものではありません。

カレーは認知症予防に役立つ可能性がある食品のひとつとして捉え、日頃の食生活全体の中で取り入れるのもよいでしょう。

(参照)
Ng TP, Chiam PC, Lee T, Chua HC, Lim L, Kua EH. Curry consumption and cognitive function in the elderly. American Journal of Epidemiology. 2006;164(9):898-906.
Small GW, Siddarth P, Li Z, et al. Memory and Brain Amyloid and Tau Effects of a Bioavailable Form of Curcumin in Non-Demented Adults: A Double-Blind, Placebo-Controlled 18-Month Trial. The American Journal of Geriatric Psychiatry. 2018.

そもそも認知症予防に効果的な食事とは?

認知症予防を考えるうえでは、特定の食品だけに注目するのではなく、日頃の食生活全体を見直すことが大切です。

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は認知症のリスク要因のひとつとされており、食生活の見直しはこれらの予防にも深く関わっています。

ここからは、認知症予防のために意識したい食事のポイントを解説します。

バランスのよい食事を摂る

さまざまな食品をかたよりなく摂取している人ほど、認知症の発症リスクが低いとする研究もあります。

たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることを心がけましょう。

摂取カロリーを守る

カロリーの過剰摂取は、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。

日頃から摂取カロリーを意識し、食べ過ぎや高カロリーな食品の摂り過ぎに注意しましょう。

塩分を控える

塩分を摂り過ぎると、高血圧につながる可能性があります。

高血圧は、動脈硬化や脳梗塞、心疾患などのリスク要因のひとつとされており、認知機能との関連も指摘されています。

そのため、日頃から減塩を意識し、血圧を安定させることが大切です。

間食・糖分を控える

お菓子や甘い飲み物を摂り過ぎると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。

こうした食生活が続くと、糖尿病などの生活習慣病につながる可能性があります。

認知症予防を考えるうえでは、生活習慣病を防ぐためにも塩分や糖質、脂質の摂り過ぎを避け、主食・主菜・副菜をそろえた食生活を続けることが大切です。

認知症予防に効果的とされている食べ物・食品についてより詳しくこちらで解説
認知症のリスクを高めるとされている食べ物・食品についてこちらで解説

(参照)
厚生労働省「MCIハンドブック」
厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病」
国立長寿医療研究センター「食品摂取の多様性と認知機能低下との関連」

認知症予防と腸内環境の関係とは

近年では、認知機能と腸内環境との関連について研究が進められており、脳の働きに腸内細菌のバランスが影響を与える可能性が指摘されています。

脳や神経系の疾患との関連

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、神経やホルモンなどを介して影響しあう腸と脳の関係は「腸脳相関」と呼ばれています。

軽度認知障害(MCI)の人では腸内細菌叢の乱れが見られることがあり、慢性的な腸内の炎症が脳に影響する可能性も指摘されています。

また、腸内環境の乱れは、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病との関連も報告されています

これらの生活習慣病は認知症のリスク要因のひとつと考えられているため、認知症予防を考えるうえでは、腸内環境にも目を向けることが大切です。

認知症予防の食事と腸を整える食事

認知症予防を意識した食事と、腸内環境を整えるための食事には共通点があります

たとえば、野菜や海藻、きのこ類などに含まれる食物繊維は、認知症予防との関連が報告されている栄養素のひとつです。

日本人を対象とした研究では、食物繊維の摂取量が多い人ほど認知症発症リスクが低い傾向が報告されています。

また、食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きも期待されています。

さらに、認知症予防のためには、青魚や野菜、大豆製品なども重要とされています。

腸内環境を整えるためには、特定の食品だけに偏らず、さまざまな食材をバランスよく取り入れることが大切です。

認知症予防と腸内環境の改善は、日々の食生活を見直すことから始められます。

(参照)
Hatayama, K. et al. Biomedicines 11, 1789 (2023)
厚生労働省「MCIハンドブック」
Yamagishi, K. et al. Nutritional Neuroscience 26, 141–148 (2023)

腸内環境を知る方法として腸内フローラ検査もある

腸内環境と認知機能との関連について研究が進められていることから、腸内環境も認知症予防を考えるうえで注目されるテーマのひとつです。

しかし、腸内環境は目で見て確認することができません。腸内環境を客観的に把握する方法として、腸内フローラ検査があります。

腸内フローラ検査とは

腸内フローラ検査とは、便中に含まれる腸内細菌の種類やバランス(割合)を分析して、腸内環境の状態を可視化する検査です。

検査結果をもとに、腸内環境の特徴を把握し、食生活や生活習慣の見直しに活かすことができます。

腸内フローラ検査は食生活を見直すきっかけになる

腸内フローラ検査の結果は、食生活の見直しをする際の参考になります。

たとえば、検査により特定の細菌の割合が低い場合は、その菌のエサとなる食物繊維や発酵食品を意識的に取り入れることで、腸内環境の改善につながる可能性があります。

また、腸内細菌の多様性が低い場合は、偏った食事を見直す、栄養バランスを整えるといったことが改善につながる可能性があります。

腸内フローラ検査で認知症のリスクがわかる

腸内フローラ検査には、腸内細菌の構成やバランスから、認知症などの病気との関連について確認できるものもあります。

近年では、軽度認知障害(MCI)の方と健常者とで腸内細菌の構成に違いがみられることが報告されています。

また、高齢の認知症患者では特定の腸内細菌が少ない傾向も報告されており、腸内環境と認知症リスクとの関連に注目が集まっています。

腸内フローラ検査では、こうした腸内細菌の構成やバランスを把握することができます。

自身の腸内環境の状態を知ることは、認知症リスクを考えるうえでの参考になる可能性があります。

軽度認知障害(MCI)のうちにリスクを発見することで、早めの治療につなげられる可能性もあります。

ただし、腸内フローラ検査は認知症を診断するものではありません。

将来的なリスクの参考として活用し、生活習慣の改善に役立てることが重要です。

(参考)
国立長寿医療研究センター「腸内細菌は認知機能低下に関連する」
Hatayama et al., Biomedicines 2023

健腸ナビ」では認知症・MCIを含む、30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、検査結果に基づいて腸内フローラの構成にあわせた食品の提案も行われます。
自身の腸内環境に合わせて、より効果的な生活改善に取り組みやすい点が特長です。

健腸ナビ紹介資料イメージ

\ 腸内細菌の精密な検査で健康づくり /

健腸ナビの詳細を見る >

認知症予防のために食事・生活改善をしよう

カレーに含まれるクルクミンは認知症予防との関連が研究されている成分ですが、現時点ではカレーを食べるだけで認知症を予防できるとはいえません。

認知症予防を考えるうえでは、魚や野菜、発酵食品などを取り入れたバランスのよい食事を心がけることが大切です。

また、適度な運動や十分な睡眠、生活習慣病の予防など、生活習慣全体を見直すことも重要とされています。

近年では、腸内環境と認知機能との関連についても研究が進められています。

食生活を見直すきっかけとして、自分の腸内環境を把握したい場合は、腸内フローラ検査を活用するのもひとつの方法です。

健腸ナビ」は、自宅で便を採取して送るだけで利用できる、腸内細菌叢の検査・分析サービスです。
30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、検査結果に基づいて腸内フローラの構成にあわせた食品の提案も行われます。
自身の腸内環境に合わせて、より効果的な生活改善に取り組みやすい点が特長です。

30以上の病気のリスクを可視化

日本人約27,000人の腸内細菌叢データをもとに、腸内環境の傾向を分析し、大腸がんや認知症などの病気リスクを可視化。特許取得済みの解析手法により、詳細なレポートで腸内環境の状態を把握できます。

性差に考慮した精密な分析

腸内細菌叢は男女で異なる特徴があり、病気と関連する腸内細菌の傾向にも違いがあります。健腸ナビでは、性差をふまえて男女別に分析が行われており、より個々の状態に即した形で腸内環境を把握できます。

自分に合ったおすすめの食品情報

分析結果から導き出された、自身の腸内フローラの構成をふまえたおすすめ食品をご提案。日々の食事選びの指針として、無理のない生活習慣の改善をサポートします。

認知症予防は、特別なことを始めるのではなく、毎日の積み重ねが大切です。

まずは現在の腸内環境を把握し、自分に合った食事や生活習慣の改善に取り組んでみましょう。

健腸ナビ紹介資料イメージ

\ 腸内細菌の精密な検査で健康づくり /

健腸ナビの詳細を見る >