認知症予防に運動は効果がある?おすすめの運動や続けるためのポイントを解説

基本情報

2026.11.06

認知症予防を考えるうえで、運動は日頃から意識したい生活習慣のひとつです。運動や身体活動は、認知機能の維持や認知症のリスク低減との関連が報告されています。

本記事では、運動と認知症予防の関係をはじめ、ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニング、運動と脳トレを組み合わせた「コグニサイズ」など、おすすめの運動を紹介します。無理なく運動を続けるためのポイントについても解説します。

運動は認知症予防に効果がある?

運動や身体活動は、認知機能の維持や認知症発症リスク低減との関連が報告されています。1)

運動によって腸内環境が変化し、短鎖脂肪酸などの有用物質を介して脳の健康に良い影響を与える可能性が研究されており、認知症予防との関連も注目されています。

ただし、認知症にはさまざまな要因が関係しているため、運動だけで必ず予防できるわけではありません。

身体機能の維持や生活習慣病の予防・改善という面からも、普段から身体を動かすことが大切です。

認知症予防におすすめの運動

ここからは、認知症予防のために取り入れたい運動を具体的に紹介します。

ウォーキングなどの有酸素運動

45歳以上の健康な中高年者を対象とした研究では、有酸素運動によって、認知的柔軟性やワーキングメモリ、抑制制御といった実行機能が改善したことが報告されています。2)

有酸素運動には、次のようなものがあります。

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • サイクリング
  • 水泳 …など

なかでもウォーキングは、特別な道具を必要とせず、日常生活に取り入れやすい運動です。

筋力トレーニング

高齢者を対象とした研究では、筋力トレーニングによって全般的な認知機能の改善がみられたことが報告されています。3)

筋力トレーニング(筋トレ)には、スクワットなどがあります。加齢とともに筋力や身体機能は低下しやすいため、年齢や体力に合わせて取り入れましょう。

とくに高齢者は、転倒などに注意して安全に取り組むことが大切です。

手先を使う運動

65〜88歳の健康な高齢者を対象とした研究では、手や指を細かく動かすトレーニングを12週間行った結果、実行機能の改善がみられたことが報告されています。4)

手や指を使う運動には、次のようなものがあります。

  • 指を順番に折ったり伸ばしたりする指体操
  • グーパー運動
  • じゃんけん …など

特別な道具を必要としないものも多いため、日常生活のなかで取り入れやすい運動です。

頭と身体を同時に使う運動

身体を動かしながら計算やしりとりをするなど、身体だけでなく脳も使う運動を取り入れる方法もあります。身体を動かすだけでなく、考える、記憶する、判断するといった認知機能を同時に使うことが特徴です。

代表的なものに、国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ」があります。詳しくは「運動と脳トレを組み合わせた『コグニサイズ』とは?」でご紹介しています。

運動と脳トレを組み合わせた「コグニサイズ」とは?

コグニサイズとは、運動と認知課題を組み合わせた取り組みです。「コグニション(cognition:認知)」と「エクササイズ(exercise:運動)」を組み合わせて名付けられました。

具体的には、以下のような運動と認知課題を組み合わせます。

  • 足踏みをしながら計算をする
  • 歩きながらしりとりをする
  • ステップ運動をしながら曜日を答える …など

課題に慣れてきたら、計算方法を変えたり、特定の数字で手をたたくルールを加えたりするなど、適度に難易度を上げることもポイントです。

コグニサイズを開発した国立長寿医療研究センターの研究では、MCI(軽度認知障害)の高齢者に運動と認知課題を組み合わせたプログラムを実施した結果、認知機能の一部が改善または維持されたと報告されています。5)

認知症予防のために運動を続けるポイント

認知症予防のために運動を続けるには、無理なく取り組める方法を選び、日常生活のなかで習慣化することが大切です。

運動を続けるためのポイントとして、以下のようなものがあります。

  • 取り組みやすい運動から始める:普段あまり運動をしていない方は、ウォーキングなど無理なく始められる運動を選びましょう。
  • 日常生活のなかで身体を動かす機会を増やす:まとまった運動時間を確保するのが難しい場合は、買い物や外出の際に歩く距離を増やすなど、普段の生活のなかで活動量を増やします。
  • 楽しめる方法を選ぶ:自分が楽しめる運動を選んだり、家族や友人と一緒に取り組んだりすることも、継続につながります。

なお、年齢や体力、持病などによって適した運動は異なります。無理をせず、自分の状態に合わせて取り組み、必要に応じて医師などに相談しましょう。

認知症予防では自分のリスクや腸内環境を知ることも大切

近年、認知症や軽度認知障害(MCI)と腸内細菌との関連が研究されています。

軽度認知障害(MCI)の方と健常者とでは腸内細菌の構成に違いがみられることが報告されています。6)

また、高齢の認知症患者には特定の腸内細菌が少ない傾向も報告されており、腸内環境と認知症リスクとの関連に注目が集まっています。

腸内フローラ検査では、こうした腸内細菌の構成やバランスを把握することができます。

自身の腸内環境の状態を知ることは、認知症リスクを考えるうえでの参考になる可能性があります。軽度認知障害(MCI)のうちにリスクを発見することで、早めの治療につなげられる可能性もあります。

<MCI(軽度認知障害)>
加齢による通常の変化を超える認知機能の低下がみられるものの、日常生活の自立は保たれており、認知症には至っていない状態を指します。

ただし、腸内フローラ検査は認知症を診断するものではありません。
将来的なリスクの参考として活用し、生活習慣の改善に役立てることが重要です。

「健腸ナビ」では、認知症・MCIを含む30以上の病気のリスクを確認できます。
検査結果に基づいて腸内環境の傾向を把握できるほか、腸内フローラの構成に合わせた食品の提案も受けられます。
認知症予防に向けて、自身の認知症・MCIリスクや腸内環境を把握したい方はチェックしてみてください。

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認知症予防には運動だけでなく生活習慣や腸内環境にも目を向けよう

認知症予防を考えるうえでは、運動だけに取り組むのではなく、食事や睡眠、人との交流など、生活習慣全体に目を向けることが大切です。

たとえば、以下のような点を意識しましょう。

  • 食事:特定の食品に偏らず、さまざまな食品をバランスよく取り入れる
  • 睡眠:十分な睡眠時間を確保し、生活リズムを整える
  • 人との交流:家族や友人との会話、趣味や地域活動などを通じて社会とのつながりを持つ

なかでも食事は、毎日の生活の中で見直しやすい習慣です。 認知症予防を意識した食事については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

また近年では、腸と脳が互いに影響を及ぼし合う「腸脳相関(脳腸相関)」についても研究が進められています。認知症と腸内環境との関連についても研究されていますが、現時点では明らかになっていない点もあります。

認知症予防では運動を続けながら腸内環境にも目を向けよう

認知症予防を考えるうえで、運動は日常生活に取り入れたい習慣のひとつです。ウォーキングなどの有酸素運動や筋力トレーニング、コグニサイズなど、自分の体力や生活に合った方法から取り入れてみましょう。

また、認知症にはさまざまな要因が関係しているため、運動だけでなく、食事や睡眠などの生活習慣を整えるとともに、自分の健康状態を把握しておくことも大切です。

近年では、運動による腸内環境の変化や、腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸などの物質と脳機能との関係についても研究が進められており、認知症予防との関連が注目されています。

自身の健康状態を把握する方法のひとつとして、腸内フローラ検査を活用する方法もあります。

「健腸ナビ」は、自宅で便を採取して送るだけで利用できる、腸内細菌叢の検査・分析サービスです。
認知症やMCI(軽度認知障害)を含む、30以上の全身の病気のリスクを把握できるほか、検査結果に基づいて腸内フローラの構成にあわせた食品の提案も受けられます。
自身の腸内環境に合わせて、より効果的な生活改善に取り組みやすい点が特長です。

30以上の病気のリスクを可視化

日本人約27,000人の腸内細菌叢データをもとに、腸内環境の傾向を分析し、認知症や大腸がんなどの病気リスクを可視化。
特許取得済みの解析手法により、詳細なレポートで腸内環境の状態を把握できます。

性差を考慮した精密な分析

腸内細菌叢は男女で異なる特徴があり、病気と関連する腸内細菌の傾向にも違いがあります。
健腸ナビでは、性差をふまえて男女別に分析が行われており、より個々の状態に即した形で腸内環境を把握できます。

自分に合ったおすすめの食品情報

分析結果から導き出された、自身の腸内フローラの構成をふまえたおすすめ食品をご提案。
日々の食事選びの指針として、無理のない生活習慣の改善をサポートします。

認知症予防は、特別なことを始めるのではなく、毎日の積み重ねが大切です。
まずは現在の腸内環境を把握し、自分に合った食事や生活習慣の改善に取り組んでみましょう。

健腸ナビ紹介資料イメージ

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参考

1)WHO. Risk reduction of cognitive decline and dementia: WHO guidelines, 2nd ed. 2026.
2)Ye, M. et al. Int J Nurs Stud 160, 104912 (2024).
3)PubMed:Resistance training improves cognitive function in older adults with different cognitive status
4)Seol, J. et al. Eur Rev Aging Phys Act 20, 9 (2023).
5)Shimada, H. et al. J Am Med Dir Assoc 19(7), 584-591 (2018).
6)Hatayama, K. et al. Biomedicines 11, 1789 (2023)